![]() | GOSICK―ゴシック (富士見ミステリー文庫) (2003/12) 桜庭 一樹 武田 日向 商品詳細を見る |
西欧の小国・ソヴュールに留学した少年・久城一弥。彼はふとしたことから知り合った少女・ヴィクトリカとともに、郊外に住む占い師殺人の謎に挑む。しかし、それはある大きな謎の欠片でしかなかった。囚われの姫と、彼女を護る死に神が、幽霊の現われる呪われた船の謎に挑む。白と黒の物語の幕が今、開きます。 (「GOSICK」 「BOOK」データベースより)
桜庭一樹の履歴を見ると、「この作品が注目を集め」と書かれていることが多いです。さて、どれだけ面白いのかと期待して読みました。
1巻。
「死神」とあだ名される日本からの留学生・一弥。ただしあだ名の由来は持って生まれた色彩が原因で、本人はちょっと生真面目なところのある少年。
図書館の最上階で退屈をもてあましている天才少女・ヴィクトリカ。小柄な体、レースとフリルで飾り立てられた服装、ビスクドールのような外見、不釣合いな嗄れ声。
まずこの2人の対比がいい。1920年代、ヨーロッパという時代背景もいい。
ホラーにもって行くのかと思いきや、きっちり「ミステリ」の枠の中で話が進み、アクションシーンのバランスもいい。
ちょっとオーソドックス気味の、しっかりした作品。シリーズ開始としては満点の出来。
2巻。
新聞の3行広告を見て、学院を抜け出し閉ざされた村に向かうヴィクトリカと、それを守る一弥。閉鎖された村の因縁と、ヴィクトリカ出生の謎が絡み、母の汚名をそそぐために過去の殺人事件の謎に挑むヴィクトリカ。完全に巻き込まれがたの一弥はちょっと気の毒なのだけど、2人の関係に変化が見えてきて面白い。
ライトノベルらしいイラストが添えられたシリーズ。私は邪魔な感じはしなかったけど、馴染めない人もいるかも。
謎とアクションと続巻への引きのバランスがちょうどいい、よくできてる話だと思いました。
「ミステリ」として謎の部分だけ取り上げても、伏線の張り方含め、過不足ない感じ。
割と短時間で読めるボリュームもちょうどいいです。
これ、リアルタイムで追ってたら、続きが出る日に本屋に向かってたことでしょう。
(2巻平均・78点)
ただ、今までに私が読んだライトノベルの中で、「これが一番!」という迫力のある本ではなかったかな。ライトノベルって一段低く見られてるけど、いい作品もいっぱいあるからさ。
ランキング参加してます。


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