TOP池井戸潤 「空飛ぶタイヤ」 池井戸潤


「空飛ぶタイヤ」 池井戸潤
かれこれ2ヶ月以上前に牛くんの母さまからお勧めいただいて、ようやく読めました。近場の図書館にないんだものよ・・・。

空飛ぶタイヤ空飛ぶタイヤ
(2006/09/15)
池井戸 潤

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トレーラーの走行中に外れたタイヤは凶器と化し、通りがかりの母子を襲った。タイヤが飛んだ原因は「整備不良」なのか、それとも…。自動車会社、銀行、警察、週刊誌記者、被害者の家族…事故に関わった人それぞれの思惑と苦悩。そして「容疑者」と目された運送会社の社長が、家族・仲間とともにたったひとつの事故の真相に迫る、果てなき試練と格闘の数か月。 (「BOOK」データベースより)

実に面白かった!

私が普段読んでいるミステリだと、「容疑者」扱いされている運送会社の社長が、企業の隠ぺい工作を見破る、というつくりになっちゃうかと思うのですが、この話は違います。

警察、運送会社のメインバンクの行員、自動車会社の一社員、それぞれの目線からの話が交錯し合い、次第に真相が明らかになっていく。
この、銀行員の話が入ってるのが、池井戸さんらしいところ。
確かに、事故を起こして大きく報道された会社は、業績も下がるだろう。資金繰りにも苦労するだろう。銀行視点が入ったことで、被害者の苦悩がさらに深刻になった感じ。リアリティ、たっぷりです。
それでいて、わかりにくくない。登場人物山ほどなのに、それが作品としての厚みになってる。

そして、個人的に、この運送会社の社長の子供が学校でいじめに合う場面。
常識が通じない母親。子供に、「あそこの家は・・・」と悪口を吹き込む親。
事故というのはそれだけのものじゃなくて、周囲まで影響を及ぼすんだと、しみじみと考えさせられました。

山場の警察官のセリフもいい。

ラスト2ページの、あのエピソードもいい。

こう、思い返してみて、「ここがちょっと・・・」という場所が思い当たらない。正義は必ず勝つ! という、実にすっきりした読後感の作品でした。

分厚い上に2段組で、ちょっと最初は腰が引けましたが、読んでみてよかった!

(90点)

カテゴリ:池井戸潤
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