乱読にもほどがあるッ!
趣味? 読書です。毎日欠かさず本を読む、グータラ主婦の読書記録。
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直木賞受賞作。というのを聞いて、あわててこの作家さんの本を何冊か読みましたが、そういうきっかけでもなければ読まないジャンルだなあ、と実感。

切羽へ切羽へ
(2008/05)
井上 荒野

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画家の夫と二人で暮らす主人公は、島にひとつしかない小学校の養護教諭をしている。そこに、音楽が専門の新任教師がやってきたが・・・。

あちこちに廃墟のある小さな島、何もかも筒抜けで開けっぴろげな住人たち、そこにやってきた異分子の教師。最初は反発したものの、気にかかって仕方がない主人公。
なんといっても文章がいい。この作家さんは「感情を文章にしない」かた。「悲しい」「うれしい」「悔しい」「腹立たしい」といった言葉なんか使わなくても、行動を描くことで感情があぶりだされる感じ。それが、淡々とした雰囲気になって、実にいい。

そしてまた、「恋しい」とか「好き」といった言葉は使われていないのだけど、紛れもなく恋の話。
夫を深く愛しているからこそ、成立しうるせつなさ。ひっそりうまれて強くなっていく想い。
透明な、まじりっけのない寂しさの満ちたラストシーンも、余韻を残していい感じ。

こういう男に恋をしてしまうというのは不幸だなあ、と思いましたよ。それがわかっていたとしても、とめられるものではないんでしょうね。

(86点。作品の文章がとてもいいのに、私のような未熟者がどう語ればいいというのか)
 
 
 
ここから追記。

そして思ったのだけど、
この話、北国が舞台だともっと救いのない形になってしまったような気がします。
雪に降り込められる、閉鎖空間だと、もっと激しく破綻してしまったような。

それを救ってるのは南国の空気かなーと感じました。開けっぴろげで、遠くから心配しているような、やさしい距離感。
この、バランス感覚も素敵だと思います。



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