乱読にもほどがあるッ!
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今日は「音道貴子シリーズ」の続き。

未練―女刑事音道貴子 (新潮文庫)未練―女刑事音道貴子 (新潮文庫)
(2005/01)
乃南 アサ

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ふと入ったカレー屋で音道は、男が店主に「こいつは俺の女房を殺した」と怒鳴る場面に遭遇する―男同士の絆が無惨に引き裂かれてゆく様子を描いた表題作。公園の砂場で保育園児が殺害され、その容疑者の素性に慄然とする音道…「聖夜」。監禁・猟奇殺人・幼児虐待など、人々の底知れぬ憎悪が音道を苛立たせる。はたして彼女は立ち直れるのか?好評の音道シリーズ短編集第二弾。(「BOOK」データベースより) 

時系列として「鎖」の前になる作品が2つ、あとになる作品が4つ。

中でも「山背吹く」が秀逸。「鎖」で心に負った傷を癒すために友人の経営する旅館に遊びに行った貴子。その町には元力士で、病気と怪我で引退した後身を持ち崩して犯罪者になってしまい、出所後地元で静かに働く青年がいた。そこでおきた人質立てこもり事件。くしくも貴子のトラウマに触れるこの事件が、彼女を立ち直らせるきっかけになる・・・。
犯罪者を捕まえるまでが刑事の仕事で、その後彼らがどう裁かれるのか、どう更正するのかは警察の仕事ではない。しかし、何度捕らえても性懲りもなく同じ犯罪を起こす人に出会えば、仕事の意義について考えてしまうだろう。どうやって裁いても、この人の中の「悪意」は消えてなくならないのだろう、と。そんな中、しっかり更正した人物と、それを支える市井の人に出会うというのは、得がたい機会なのじゃないだろうか。その彼が地元に受け入れられる瞬間を目に出来たなら、なおさら。
そういうキーポイント的な話を、さらっと書いてしまうのがこの短編集。

ただし、その直後の「聖夜まで」は幼児虐待をテーマにした、重くて苦しい作品。子供がいない貴子の視線から書かれていることで、本当につらい部分には触れずに、優等生的な書き方になっているのが残念。(というのは多分子育て中だから出てくる感想だと思います)

そしてラストの「殺人者」。タイトルとは裏腹に、人情ドラマの小品で、短い話なのにぐっと来る。「殺人者」を追っていたはずの刑事が、揺らぐとき。犯罪をおこしそうになるとき。医療の限界と家族の絆。・・・しみじみ、いい話。
これをラストにもってきたことで、読後感は数段よくなっているんだけど、本全体では重くて暗い話が多いです。音道貴子のファンなら読んで損はない、と思います。

(78点)



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