乱読にもほどがあるッ!
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大きな作家だなあ、と読みながら感嘆してしまいます。

偽りの墳墓 (光文社文庫)偽りの墳墓 (光文社文庫)
(2002/12/10)
鮎川 哲也

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浜名湖東岸の温泉街で、土産物屋のおかみ・いくが首つり死体で発見された。自殺を偽装した痕跡があったことから、多額の保険金を掛けていた夫・捨松が疑われるが、アリバイが崩せない。さらに、保険会社の依頼でいくの死を調べていた美人調査員が殺される、第二の事件が発生。やはり真犯人は捨松なのか!? ところが、事件当日いくを訪ねてきていた第三の男の存在が浮上して…。 (「BOOK」データベースより)

冒頭で、縊死体が発見される。足元にあったのは高さの会わない箱。これは殺人か、と捜査を開始する警察、だが第一章終了時にはこの事件はあっさりと迷宮入り。この時点では鬼貫刑事が出てきてないので、「きっとあとで出てきて鮮やかにアリバイトリックを崩してくれるんだわ」と期待する。
そして第二の事件発生。
生命保険会社の依頼で第一の事件の捜査に当たっていた調査員が殺される。
これはやっぱり調査されたくない犯人の仕業か? と思い込んで読みすすむ。でもさすが鮎川氏、そんな単純な話でもなかった。何かを知っていそうな男性や架空の親戚など、手がかりを積み上げてはひとつずつ消していく手法。いかにも警察らしい、堅実な仕事。
鬼貫刑事はあくまで刑事で「名探偵」ではないんだなあ、なんて確認しながら読んだ。

こういう小説もたまには読みたい。

(73点)
 
 
 
ここから追記。

しかしこの話のポイントは、途中である人物を追って刑事が訪れる瀬戸内海の小島、とある病気の患者の療養所だけがあるこの島の様子だと思った。
この島の描写がなくても、この小説は成立する。刑事が地道に足で稼ぐタイプの小説だから、読者の目をあちこちに逸らせる為にも雰囲気の違う部分はあったほうがいいのだけど、それだけではない。
この病が、感染力が強く、治らないと誤解されていた時代に、否、と告げる為に書かれた場面。
新しく薬も開発された、治る病気。なのに周囲の偏見のせいで一度かかってしまった患者は感知しても故郷に戻れない。この対応はおかしい、と、作中のある医師に語らせている。
この場面が情愛を感じて、哀しい。
引用される和歌も切ない。

この時代から40年以上たっているけれど、人はそれほど変わっているとは思えない。残念ながら。
やはり、感染の可能性がある病気や、原因がわからない病気にかかってしまったら、周囲の目は厳しくなる。
それでもその時代時代で、「偏見はおかしい」「この病気について詳しく知ってほしい」という動きが起こるのが、救いかも。




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