それでも「面白い!」 と思うと書きたくてうずうずするのです、ああもう。
![]() | 夏のくじら (2008/08) 大崎 梢 商品詳細を見る |
都会から高知にやってきた大学生・篤史は、従兄弟から強引に本場・よさこい祭りに誘われる。衣装、振り付け、地方車、鳴子。六年ぶりに復活する町内会チームは、どこよりも熱い。南国高知、真夏の風は、空から海へと吹き抜ける。一途な思いを秘めて、踊る青春群像。 (「BOOK」データベースより)
びっくりしました。
大崎さん、こういうのも書けるんだ! って。
本場高知の「よさこい」。
不勉強でして、どのようなお祭りかはよく知りません。
私の住んでる北海道では「よさこいソーラン」のほうが有名で、そのチームの話は時々聞くんで、ちょっと重ねあいながら読みました。(ただ、高知のお祭りのほうが、開かれた明るい雰囲気が漂ってます)
いうなれば、社会人も参加する部活動の雰囲気がします。
大会が年に一度、二日間。運がよければもう一日。全員で参加して、楽しんで、連帯感と一体感と、やり遂げた充実感とを得るお祭り。
そのよさこいチームにスタッフとして参加することになった主人公。最初はいとこに言われて仕方なく顔だけ出してパスするつもりが、だんだん面白さに取り付かれていく様子。この部分が絶品!
青春小説として、すごくいい、と思います。
踊るっていうのは単純に気持ちいいことなんだなあ、って思えます。
そして。
東京創元社出身の作家さんって、ミステリ的思考が染み付いているのか根っからミステリ好きなのか、大筋ではぜんぜんミステリ要素がないはずなのに、「日常の謎系ミステリ」に分類される作品を書くことが結構多くて。(というのはひょっとしたら偏見かもしれないけれど)
このお話もそうです。
主人公の篤史が4年前に一度だけ参加したよさこい、同じチームにいた女性に抱いた恋心、しかしその女性の名前さえ知らない。果たしてあの子は誰なのか? という謎。
その謎にもちゃんと、回答が出ます。
それも、真相がわかってみると、すごく丹念に伏線がはってあったのがわかります。
いろんな人たちの恋心と、絡まりあう人間関係。それがお祭りという晴れの日に収束していく様子。
読み出したらラストまで一気でした。
こういう話、大好きです。
(90点!)
ランキング参加してます。


千砂さんのレビューを読んで、猛烈に読みたくなり、
『夏のくじら』を読みました。
おもしろかった!!
寝る前に読み始めて、結局最後まで一気に。翌日、寝不足でした~。
主人公始め、みんな人物がきっちり描かれていて、
どの人にも少しずつ共感を持っちゃいました。
ありがとうございました!
そういっていただけると
感想書いたかいがありました。
面白かったでしょ?
わたし、こういうの大好きなんですよ~~~
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