![]() | 赤い月、廃駅の上に (幽BOOKS) (2009/02/04) 有栖川有栖 商品詳細を見る |
駅・鉄道をテーマにした怪談集。全10編。
ありゃりゃ。本格ミステリじゃないんですね。amazonの内容紹介に「本格幻想怪談集」なんて書いてあるから、幻想で怪談で本格なんだ! と思い込んでおりました。
そこはそれとして割り切って読んでしまうと、うん、私、このお方の文章が好きです。
ちょっと夢見ているようなリズムに乗せられて、怖いのにするする読まされてしまう感じがします。
ただし、ホラー小説として読むとこの人がベスト!っていう作品ではないし(それでも結構怖い話も混じってたけど)、普段の有栖川氏の作品を読みなれている人にとってはちょっと異色で物足りないかも、とは思います。
一番気に入ったのは「海原にて」。
この本の中ではちょっと異色かな、海の上で起こるファンタジックな怪奇現象と、それに出会ってしまった男性の、ほんの短い時間を切り取った小品です。この話は怪談じゃないですね。
なんといっても浮かんでくる映像が美しくて、魅力的でした。
(一冊全体だと76点)
ランキング参加してます。


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)